【退職後の健康保険】退職後の健康保険、任意継続の保険料上限が引き上げられた背景とは?

会社員が退職後に選択する健康保険には「任意継続」と「国民健康保険」 があります。
多くの人が任意継続を選ぶ理由は、会社員時代と同じ健康保険を継続できる からです。

しかし、2025年(令和7年)4月から、任意継続の報酬月額上限が「30万円→32万円」 に引き上げられました。

 

この改定の背景には、賃金水準の上昇や医療費の増加 があります。近年、企業の賃金水準が上がる一方で、医療費負担も増大しており、従来の上限30万円では現実に合わなくなったため、より多くの人に対応できるよう上限が引き上げられました。

 

ただし、この改定は「保険料そのものが上がる」のではなく、「報酬月額の上限が引き上げられた」ことによる影響が大きい点に注意が必要です。
つまり、退職前の給与が30万円を超えていた人は、従来より高い保険料を支払う可能性があります。

 

「保険料が上がるなら、国民健康保険に切り替えたほうが得なのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、実際には国民健康保険のほうが負担が大きくなるケースが多いのです。

その理由を次回解説します。

関連記事

  1. 「社会保険(健康保険)」と「国民健康保険」の違い

    「社会保険(健康保険)」は、企業に勤める会社員や、条件を満たす短時間労働者(アルバイト・パートなど)が加入する保険です。   一方、「国民健康保険」は、自営業者や年金受給者などが加入する保険です。   […]

  2. 【医療保険を見直す】医療費の無駄を減らし、貯蓄を重視するべき理由

    医療保険に頼りすぎるのではなく、貯蓄を増やして医療費に備えるという考え方が、これからの時代に合った選択肢です。   その理由は、医療保険にはカバーできない費用が意外に多いからです。 入院中の差額ベッド代(1日5 […]

  3. 【医療保険を見直す】入院日数の短縮に伴い、過剰な医療保険は見直すべき

    「入院1日につき1万円の保障」など、手厚い医療保険に加入している方も多いかもしれません。 かつては「入院が長引くリスク」に備えてこうした保障が求められていました。   しかし入院日数の短縮化が進む今、これまでの […]

  4. 【医療保険を見直す】傷病別の在院日数(入院日数)が短くなっている理由と背景

    近年、入院日数の短縮化が進んでおり、その傾向は今後さらに加速すると考えられています。 これは、医療技術の進歩や医療現場の努力の成果であり、患者にとっては医療費の負担が軽減されるという大きなメリットがあります。 &nbsp […]

  5. 【退職後の健康保険】退職後の健康保険料を抑えるための工夫

    退職後の健康保険料負担を軽減するために、いくつかの対策 を知っておくことが大切です。 以下の方法を活用することで、少しでも保険料を節約できる可能性があります。   1)扶養に入る(配偶者が社会保険に加入している […]

  6. 【退職後の健康保険】任意継続の上限引き上げより、国民健康保険の負担のほうが大きい現実

    任意継続の報酬月額上限が「30万円→32万円」に引き上げられましたが、それでも国民健康保険のほうが高額になる可能性があることを理解しておく必要があります。   その理由は、国民健康保険は加入者全員の医療費を広く […]

  7. 社会保険料を半減する方法を社労士・税理士が教えてくれない理由

      合法的に社会保険料を約半額にする方法は存在します。当社が税務署と年金事務所に確認しても、何ら問題ない方法でした。   具体的な数字を出すと月収80万円の経営者の場合、年間120万円の社会保険料が62万円まで下がります […]

  8. 効果的で副作用のない経費節減

    『売上-経費=利益』という公式からわかるとおり、会社が利益を増やす方法は、売上を増やすか経費を減らすかのどちらかしかありません。   一般的に、売上を増やすことよりも経費を減らすことの方が簡単です。しかし、経費 […]

  9. 第4回 社会保険料節減セミナー広島 開催報告

    『社会保険料節減セミナー広島』も今回で4回目を迎え、昨年の2月4日に第一弾を開催しました。 より解りやすく聞きたいことが聞けるセミナーにしたいというコンセプトから、毎回10名限定の少人数制で開催しておりましたが、今回は相 […]

  10. 社会保険料節減の相談事例

    合法的な社会保険料の節減は、会社の営業利益を増大させ、財務体質強化、如いては会社の信用向上に繋がります。 以下、社会保険料節減の相談事例のご紹介いたします。 無料相談はこちらから